校長日誌

心に残る創立115周年記念講演・合同演奏会

2013年3月18日 07時32分

 光陰矢のごとし。時間の経つのは早い。平成24年度もわずかになりました。今振り返ると、昨年度は井田重芳先生をお呼びした本校創立115周年記念講演・合同演奏会から始まりました。下記にそのことについて掲げます。

校長原稿④          心に残る創立115周年記念講演・合同演奏会   
                                         大津 清
 平成24年4月28日(土)に本校創立百十五周年記念式典並びに記念講演・合同演奏会を米沢市市民会館において開催した。記念式典の後に記念講演・合同演奏会を行った。忘れることのできない楽しく素晴らしい講演・演奏会であった。そのいきさつを述べてみたい。
 吹奏楽部顧問の先生より井田重芳先生のことを聞いて、記念講演会の講師に依頼したいと思った。先生は本校土木科昭和45年卒で現在東海大学付属第四高等学校吹奏楽部(以下東海大四高と略す)の顧問として勤務され、2010年まで全国大会に連続29回出場し15回の金賞、12回の銀賞を受賞している。海外演奏旅行をはじめ国内でも数多くの演奏会を行い、CD・DVD等も発売している。全国有数の吹奏楽の指導者でカリスマ的な存在である。先生の多くを知るにつれて、講師を引き受けていただけるか不安を覚えた。
 平成23年8月に行われた全国高等学校PTA連合大会(札幌市)の開催の折りに本校の小林成吉前教護会長とともに東海大四高を訪問し、先生とお会いした。井田先生は、本校在学当時を振り返り、恩師や仲間達との出会いや苦労話を語られた。吹奏楽で社会がもっと元気になり、人が優しくなれるようにしていきたいと考えておられる。素晴らしい先生であった。ぜひ、先生のお話を生徒達に聞かせたい。そこで、記念講演と本校吹奏楽部の指揮をしていただく記念演奏会をお願いしたのである。
 その後、平成24年11月に、具体的な日程の確認のために、連絡を差し上げた。その時に、先生から、「私だけでなく、東海大四高吹奏楽部の生徒55人を一緒につれて、米工生と東海大四高との合同演奏をしよう。」という話があった。何しろ札幌市から55人も来るのである。とてもむずかしいのではないかと返事をした。ところが、井田先生から「創立115周年記念を思い出に残る演奏会にしましょう。母校の米工には大変お世話になったのだから。」と意外なそしてうれしい答えが返ってきた。そこで、本校の創立記念日は4月26日であるが、東海大四高の生徒たちの授業も考えて4月28日(土)に開催することになったのである。
 その後、井田先生に二度本校にお出でいただいた。
 一度目は、平成24年1月10日(火)に来校して頂き、本校吹奏楽部生徒の指導をしていただいた。来校前にこちらで紹介した宿泊先に立ち寄って決めてきたということであった。宿泊先は「演奏に影響するので実際に見て決めるようにしています」とのことだった。
 二度目は、平成24年4月1日(日)に来校して指導をいただいた。生徒たちは超一流の高校との合同演奏会が間近になり、日ごとに緊張と不安を感じている。井田先生も心配で駆け付けてくれたのであろう。
 当日は、鶴城工親会や保護者の皆さんもかけつけて、創立115周年記念式典並びに記念講演・合同演奏会が盛大に行われた。夕方には、一般の方向けに「本校創立115周年記念東海大学付属第四高等学校特別演奏会」と銘打って、本校の吹奏楽部と合同演奏会を行った。
 後日、合同演奏会に来られた東海大四高吹奏楽部の保護者会・生徒一同様より心のこもった手紙をいただいた。そこには「待ち時間には貴校(米工)の生徒さんたちの貴校吹奏楽部の演奏に感動したと話されているのを耳にしました」と書いてあった。本校吹奏楽部の生徒もよく頑張ってくれた。この合同演奏会を通して、大きな感動と自信と言葉に言い尽くせないほどの財産をいただいた。
 その後、本校吹奏楽部は全国吹奏楽コンクール山形県大会で銀賞を受賞し、秋には第3回定期演奏会を行った。生徒は、全国大会出場の夢を抱くようになり、練習にも一段と熱が入ってきているように思う。
 人は感動体験の数だけ成長する。体験が人を育てる。この貴重な素晴らしい体験は、次のステージにきっとつながっていくことだろう。
 お世話になった皆様に心より感謝申し上げます。今後ともご支援の程よろしくお願いします。
 なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは 人の為さぬなりけり(上杉鷹山)
「鶴声第120号(全日制生徒会誌)、平成25年3月1日発行より」